GOOD!

【徹底した丁寧な作り】
初心者から上級者まで満足させる配慮の数々にただただ感心させられる。
特に難易度のバランスとステージの長さは絶妙。

【シンプルな快感】
？ブロックを連打する快感、リモコンでスタピースをかき集める快感、
多彩なジャンプアクションで足場をすいすい飛び越える快感。
動かしているだけで楽しいのは初代マリオに通じた所がある。

【豊富なアイデア】
別個のゲームがいくつか作れそうなくらい、様々な仕掛けが盛り込まれている。
無駄を削ぎ落とした密度の高いボリュームで、水増し感が無い。

【とにかく楽しい音の演出】
上質でありながらゲーム音楽の枠内にきっちり収まっている楽曲群は秀逸。
初代や３の曲のアレンジが収録されているのもオールドファンには嬉しい。
状況に応じて変化するBGMといい、爽快感を増幅させるSEといい、
単に質が高いだけでなく、ゲームの一要素として機能している。

【3D酔い対策】
引き気味のカメラワークのおかげで、この手のゲームにしては殆ど酔わない。
小惑星の外周や小さな立方体の内部を高速で回る時に少し目が回るくらい。
エレビッツを100ゲロ、キングスフィールドを60ゲロ、
ゼルダトワプリを20ゲロとしたら、本作は5ゲロ。

【読み込みの短さ】
星と星の間を飛び移る演出が気持ちいいので、
「ロードが短いなあ」とすら感じず、ロードの存在を忘れてしまうほど。

BAD/REQUEST

これだけボリュームがあると、中にはあまり楽しめないステージもあった。
ジャンプアクションを堪能できる高難度のステージがずば抜けて面白かったのに対し、
箱庭内の様々な仕掛けを解いていく64テイストのステージは少し退屈だった。
もっともこれは多様なユーザーに対する配慮の一部であって、
私と全く逆の感想を持つ人もいるのだろう。
一つ一つのステージがコンパクトにまとまっているのでダレることは無い。

パワーアップが謎解きのキーアイテムと化している。
ハチマリオやバネマリオは高台に登る為、アイスマリオは足場を作る為のもの。
ハチマリオはしっぽマリオやマントマリオに比べると爽快感に欠ける。
飛び回るマリオもあるにはあるが、操作が難しいし使える場面が少ない。
伝統のファイアーマリオも同様の扱いで出番が減り、時間制限付きになった。
燭台に火を灯して扉オープンとか、そういうのはゼルダでやって欲しい。
「ファイアーのままボスまで行けるかな？」といった楽しみ方ができないのは残念。

その他、細かい不満は以下の通り。
・小惑星で逆さになった時の操作に戸惑う。
・裏に回れるのか落下死するのか初見では判別し辛い所がある。
・水中の操作が難しく、水中面はテンションが下がる。
・平坦で広いステージが無く、スピード感を堪能できない。
・ラスボス戦が拍子抜けするほど簡単。

COMMENT

アクションゲームをプレイしていて思わず声が出るなんて何年振りだろうか。
64のマリオとゼルダに失望して任天堂の据置ゲームから離れていた3D嫌いの私も大満足の出来だった。
革命的名作とまでは言わないが、最上級の優等生という印象だ。
初代マリオの魅力を「熱中」とするなら、ギャラクシーは「感心」の面白さ。

この内容で実売5000円はコストパフォーマンス超優秀だろう。
6000円7000円で手抜きゲームを売っている他のメーカーが哀れに思えてくる。
Wiiを持っているならとりあえず押さえておくべきタイトル。
本体未購入者はこれの為にWiiを買っても後悔は無いはず。