牧場物語 わくわくアニマルマーチ レビュー
発売元 | マーベラスエンターテイメント(オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2008/10/30 |
価格 | 7,140(税込) |
レーティング | A / 全年齢対象(CERO について) |
ショップ/リンク | 【 Amazonレビューも参考にどうぞ 】 |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 | ふれあいシミュレーション / 1〜4人用 ヌンチャク、クラコン 対応 |
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GOOD!
牧場物語シリーズは完全に初めてのプレイとなる。
・家族という要素。ストーリー性の強いゲームだと、恋愛の成就や結婚が終着点となるケースはたくさんあるものの、主人公や友人たちがそれぞれに終生の伴侶を得て、やがて生まれた子供たちも一緒になって交流を深めていく、そんな様子まで丹念に描いてくれる作品は珍しいのではないか。そのため、新鮮で味わい深かった。
・グラフィック。背景は、非常に美麗かつ精細でありながら、同時に温かく親しみやすい雰囲気も醸し出されていて、気持ちよくゲームをプレイすることができた。特に、季節による色彩の変化が非常に鮮やかで印象的。キャラクターに関しても、人間・動物を問わず細かなしぐさや表情の描写に力が入っていて、とてもかわいらしい。
・イベントとテキストの充実。主人公と住人、あるいは住人同士の交流を描くイベントがふんだんに用意されていて、中には「こんなものまで」と心底驚かされるものもある。またテキストの充実もうれしいところで、好感度だけでなく、季節・天候・行事・結婚や出産といった状況に合わせて、誰もが個性的な言葉を返してくれるのが楽しい。
・ボリューム。基本的に強制力はないが、プレイヤーそれぞれにとって目標となる要素が数多く存在し、ゲームをプレイする動機付けとなってくれる。結婚をはじめとして、住人の願い事、ペット、称号、自宅改築、土地、別荘、服、家具、レシピや図鑑などなど。お金で買えるものについては金額設定のバランスも良好で、いくら頑張っても手が届かないとか、逆に簡単に買えすぎて張り合いがないということがない。
・音楽。屋外用のBGMも季節ごとにそれぞれ個性があっていいのだが、さらに印象深かったのはストーリーイベントの曲。大作RPGもかくやと思わせる壮大さで、何度聞いても心動かされるものがある。また、やや地味なところだが効果音にも力が入っていて、夏には昼と夕方では鳴いているセミの種類が違っているという凝りようだ。
・操作性。シンプルかつ直観的で分かりやすく、また丁寧な説明も用意されているため、まったく戸惑うことなしに順応することができた。Wiiリモコンならではの機能については、道具を使うときにリモコンを振って溜めを短縮する程度にとどめており、使いすぎていないのも好印象。
・Aボタンを連打すると、移動しつつ状況に応じた行動をとってくれること。ジョウロを持っていれば水やりを済ませてない畑に水をまき、手ぶらなら近くに落ちている物を拾う、など。細かな場所合わせまでプレイヤーが気を遣わなくてよいので、とても快適。
・プロフィールと相性占い。プロフィール画面では住人の好きなものが大まかに把握でき、相性占いになると結婚相手候補の大好きなものをズバリ教えてくれる。試行錯誤の手間を省いてくれるのはありがたい。
・カメラ機能。単に写真を撮るだけにとどまらず、構えることで周囲を見渡せるため、細部まで作り込まれたグラフィックを思う存分堪能できるのがうれしい。
・ショートカットやワープ。全体的にマップはやや広めなのだが、「ちょっと移動が面倒だな」と感じ始めたところで、ショートカットが可能になったり、ワープ用のアイテムが手に入ったりする。かゆいところに手が届くとはこのこと。
・時間経過がゆるやかであること。急かされることなく日々の生活を楽しめるようになっていて、とてもよかった。建物内部では完全に時間が停止してしまうのも、一息つける感じがしてありがたい。
・オープニングムービー。この作品と、登場するキャラクターの魅力を端的に表現したもので、映像・音楽ともに秀逸な出来。ゲームを立ち上げたときにはつい見てしまう。
BAD/REQUEST
・料理や粉挽きが複数まとめてできないこと。5個や10個ならまだしも、これが100個などになると非常に面倒。「同じ材料で続けて○個作る・挽く」といったオプションが欲しかった。
・ロードがやや長めであること。エリア間を移動している限りではさほど問題のないレベルだが、街の中で家への出入りを繰り返すとちょっと気になる。とはいえ、それでも前作からは長足の進歩を遂げているらしい。
・場所によってややフレームレートが低下すること。プレイに支障が生じるほどではないが。また、プログレッシブ出力やワイド画面に対応していないこと。力の入ったグラフィックなのだから、より綺麗な画面で楽しみたかった。
・子供の性格。育児中の選択肢によって決まるのだが、選ばれ方に極端な偏りがあるのに加え、きょうだい間の重なりも回避してくれないため、事前の知識がないと子供2人が同一の性格に育ってしまう可能性が高い。せっかく子供が2人いても、同じことしか喋らないのでは味気ない。ここはもう少し考えてほしかったところ。
・テキストの誤字や不整合といったミス。掲示板で「メニューにベジタブルピザが加わりました」→実際に追加されたのはシーフードピザ、など。プレイしていると結構頻繁に遭遇するので、ゲーム全体を俯瞰して、もう少しきちんとチェックを入れてほしかった。
・説明不足。操作自体は分かりやすいものの、現実とは異なる牧場物語ならではのお約束について解説が不十分な部分があり、初心者としてはやや戸惑うことがあった。「鉱石を製錬して金属を取り出すのは鍛冶屋じゃないの?」(答:アクセサリーショップでの鑑定が必要)、「連作できるとかできないってどういう意味?」(答:連作できるものは、収穫後も作物が残り何度でも実がなる。連作障害とは無関係)など。
・恋愛や結婚に関する一部のテキスト。その一、主人公が未婚の場合、他人との結婚が確定していながら顔を赤らめて迫り、あまつさえデートにまで誘ってくる異性キャラ。その二、相性占いで夫・妻以外の相手が「好き」などと出ること。その三、あるキャラとの結婚後、お祭りの前日に「誰か誘って出かけたらどうですか?」。これらはネタ的な面白みはあるけど、「そういうゲーム」ではないはずなので、適切な処理をしてほしかった。
・「自分の息子・娘が結婚した」「孫が生まれた」など個別の状況に結婚相手の身内が反応してくれず、一般的な結婚・出産時のセリフがそのまま使われていること。何より不自然だし、またここがきちんと対応されていたら、家族を持つことの幸せがさらに印象的に表現できていたと思うので、非常に惜しい。
・ストーリーイベントクリア後、いつまで経ってもクリア時のセリフを口にする住人たち。さすがに1年も続くとうっとうしく感じられてくる。
・カメラで撮影した写真の保存枚数が少ないこと。セーブデータはコピーできるのだから、ブロック数を増やしてでももっと多く保存可能にしてほしかった。また、Wii伝言板への貼りつけやSDメモリーカードへの保存ができないこと(ただし、一部イベントのときには伝言板に貼りつけられる)。せっかくの機能なので、もっと活用したかった。
・口笛で呼ぶ動物を自由に選べないこと。なかよし度や飼い始めた順番によっては、足の速い馬がいるのに牛や羊がやってきたりする。わざと道具を当てて好感度を下げることで操作は可能だが、さすがに心理的な抵抗感がある。
・時間を飛ばす手段が欲しかった。単にその日やることがなくなっただけなら、昼日中だろうと気にせずベッドで寝て日付を進めてしまえばいいけれど、夜に発生するイベントや行事などがある場合には、どう時間をつぶしたものか困ってしまう。一応、「釣り竿を使う→すぐ釣り糸を引き上げる」を繰り返せば時間は進むが、面倒。
・祭りの時、露店の人以外には人出が少ないこと(ただし、コンテストには一応参加しているようだ)。また、住人が遠くの場所に行き来するときには一気にワープしてしまい、道ですれ違うという状況が生じないこと。処理能力などとの兼ね合いだろうが、やや臨場感や生活感に欠ける気がして残念。
・鉱石や宝石の鑑定で当たりが少ないこと。当たり率は最大でも半分、レアな鉱石になると1割にまで落ちるため、鑑定したものが全部外れということもしばしばで、費やした労力のわりに報われない感覚がある。当たりアイテムの単価を下げてでも、外れ率を減らしてほしかった。
・自宅がやや殺風景であること。購入できる家具はそれなりの数が揃っているのだが、他の住人の部屋と比べるとちょっと寂しい感じがする。カーペットや鉢植え、各種小物なども配置できるようになっていると、インテリアの幅が広がってなおよかった。
・動物小屋の家畜が3種類しか飼えず(頭数は最大8頭)、ペットは最大4匹しか飼えないこと。せっかくタイトルが「アニマルマーチ」なのだから、もっとたくさんの動物と一緒に生活したかった。
COMMENT
外観からだととてもそうは見えないけれど、実は非常に力の入った大作ゲーム。質・量ともに相当充実している一方で大きなバグはなく、お腹いっぱいになるまで楽しませてくれる。大変失礼な言い方になるが、マーベラスエンターテイメントというパブリッシャーを見直してしまったほど。これでは次回作が大変ではないか、などと余計な心配までしそうになるけれど、一方でまだまだ改善の余地も大きいと思うので、ぜひ頑張ってさらなる良作を送り出していただきたい。
難易度は低く(というより、そもそもゲームオーバーがない)、操作も分かりやすいものになっているから、シリーズ未経験者やゲーム初心者でもすんなりゲームに入り込んでいけるだろう。最初にちょっとした約束事に慣れ、自分なりのスケジュールを確立すれば、あとは楽しい牧場生活が待っているはずだ。本作にはさまざまな要素が盛り込まれているが、それらを徹底的に味わいつくす勢いでプレイしてもいいし、特に気に入ったものにだけ箸をつける感じで遊んでもかまわない。さまざまなプレイスタイルを許容してくれるのも、このゲームの魅力の一つだと感じた。
とはいえ、どのような姿勢で遊ぶにせよある程度は時間のかかる内容だから、「短期間に集中して遊びきってしまいたい」「テンポよくエンディングまで進みたい」という人には、やや不向きかもしれない。そうではなしに、現実の1日にゲーム内の1日をプレイするようなゆったりとしたペースで進めていけば、相当長い間、それこそ1年くらいは優に楽しめる内容に仕上がっていると思う。
Wiiリモコン+ヌンチャク使用