Wii mk2 - Wiiの参加型レビューサイト

GOOD!

ニンテンドーDSのテトリスDSと違い ゲームプレイ中にタイムが表示されるので マラソンモードにおいてスコアではなくタイムを競うという遊び方ができる。

BAD/REQUEST

このゲームの酷い所は ゲームシステムやゲームバランスの作り込みがものすごく雑だという事です。

まずゲームを起動してからメインメニュー画面にたどり着くまでに約25秒かかります。テトリスオンラインジャパンのロゴ画面が飛ばせないのは ライセンス契約がらみの問題で仕方ないものだとしても、せめて自社ロゴ（3秒間）は飛ばせるようにして欲しかった。自社ロゴの表示が終わった後に ようやくテトリスパーティーのタイトル画面が表示されるのですが、テトリスパーティーのロゴが完全にフェードインしきる（7秒間）まで飛ばせない、ロゴのフェードイン中でもすぐにメニュー画面に移行できるようにしてほしかった。

これでようやくメニュー画面に移れるのですが、このメニュー画面が深い階層構造になっているので ややこしく感じます。
もっとメニュー画面を洗練する余地があったと思います。

デフォルトのボタン配置も不親切です。Wiiリモコンの場合、デフォルトではAボタンがHOLD（頻繁に使う） Bボタンが対戦用のアイテム使用（あまり使わない）となっていますが Aボタンは 十字キーと同じ左手の親指で押す必要があるので ゲームプレイ中は押しづらい。人差し指で押せるBボタンにデフォルトで割り当てるべきだと思う。（HOLDとアイテムのボタンは位置は 設定で変えられます。）

ここで話をゲーム本編に移します。このゲームは「動作がモッサリしている」とよく言われているのですが、それは出現時間（ブロックを固定してから次のブロックが出現するまでの時間）があるからなんですね。
なので 携帯電話のテトリスやテトリスDSの様な出現時間の無いテトリスから入ったような人にとっては この出現時間のせいでテンポが悪くモッサリしているように感じるのでしょう。
昔のテトリスには出現時間のあるものが多いですし アーケードのテトリスには今でも出現時間はあるので 出現時間の存在自体が害悪という訳ではありません。
ただ問題なのは 出現時間中に横移動ボタンを押し続けても ブロックが横ためしきった状態で出現しない（ブロック出現直後に ブロックがすぐに横移動しない）ことです。このせいで ブロックの横移動がワンテンポ遅れるので 出現時間の存在が鬱陶しく感じます。
なので結論を言うと やはりモッサリしているんですね。

このゲームには「のぼってブロック」「えあわせブロック」「コースをすすめ」などの多彩なゲームモードが収録されていますが、これらはテトリスのブロックを使った全く別のゲームです。
ゲーム単体で見れば これらのゲームモードは 結構頭を使うゲームなのですが、テトリスのブロックを使っていること以外は テトリスとの関連性はほとんど無いです

「バランスWiiボードでテトリス」というモードがあるのですが これが過酷すぎる。
本質的には テトリスというゲーム自体に挑むのではなく バランスWiiボードによる操作性の難しさや不安定さに挑むゲームモードです。
話はちょっと逸れますが、WiiFitのトレーニングの中では 「燃焼フープダンス」が例外的に最大で10分のあいだ体を動かし続ける必要があり、それ以外のトレーニングは大体3分程度なものばかりです。
それに対し「バランスWiiボードでテトリス」は クリアしようと思うと15分程度の時間がかかる。つまり約15分のあいだ体を動かし続ける必要がある。これは非常に過酷です。

「コンピュータたいせん」も酷い。自分とコンピュータのブロックの出現順が違うので不平等です。
そしてコンピュータのレベルは1〜15まであるのですが、全体的に弱い。体感的には レベル5がテトリスDSのクリボー並、レベル8がノコノコ並、レベル10がトゲゾーよりちょっと弱い、レベル13がハンマーブロス並、レベル15がクッパよりちょっと弱い といったところです。

Wi-Fi対戦は最低な出来栄えです。ブロックが出現順が違うのは コンピュータ対戦と同じ。そして自分の実力を示すはずのレーティングが テトリスDSみたいに 自分と相手のレーティング差に応じてて 増減する値が変わる仕組みではなく、相手のレーティングにかかわらず 自分のレーティングが高いほど減りやすく増えにくくなる仕組みなので 実力を表しているものとは言えません。

アイテムなしの場合は必ず1対1の対戦になります。対戦相手の募集中は 練習用のコンピューター対戦が始まるわけなのですが、対戦相手が見つかっても 即試合開始されず、両者が+ボタンを押さないと試合開始されない。全員が+ボタンを押さなければ最大で90秒間待たされます。
試合が終わってから再戦する場合でも 即試合開始されずに 練習用のコンピューター対戦が始まる。あまりに鬱陶しい。

アイテムありの場合は最大6人対戦になります。試合中は対戦相手が増えません。対戦相手が増えるのは 試合前の練習用のコンピュータ対戦中のみです。最大で90秒待たされる間に相手が見つかれば 相手が増えることになります。なので対戦相手が増える余地があまりにも少ない。そして 人数が多い場合は 対戦中に頻繁に処理落ち（動作が超スローになる）と通信ラグ（対戦相手に送り込んだブロックが反映されるのに やたら時間がかかる。1人を除いて全員ゲームオーバーになったのに 1人だけまだ試合が続いている。など）が発生します。これは相当に致命的で もはや何を競っているのかがわからなくなります。
アイテムに関しても リモコンを縦持ちにする必要のあるアイテムが多く わずらわしいです。

ランキングに関してですが、世界ランキングの項目だけでも全16種類もあり あまりにも雑多すぎる。
ランキングの更新は 各項目ごとに個別に行う必要があるが、3回更新すると 次からは「10分以上時間を空けてから 接続して下さい」と表示される。
ランキングを閲覧するだけならば インターネット上のテトリスパーティーの公式サイトで見ることが可能だが 登録はWii経由でしか行えない。
かゆい所に手が届かない仕様だと思う。

さて、「快適さ」と「満足感」に0点をつけた理由ですが、
快適さに関しては、ゲームプレイ中の操作性の良さに関しては 歴代のテトリスの中で最低とは言わないものの 底辺レベルだと思います。それに加えて、メニュー画面のインターフェイスの粗雑さや Wi-Fi対戦の設定の不親切さを加味して0点にしました。

満足感に関しては、ユーザー目線のゲーム作りが全く出来ていない、親切心のある作りこみが一切無い。
中身に関しては粗雑で もっともっと改善する余地はあるのに 改善する余地を残したまま発売した感じです。素人目にも「制作費や納期を相当ケチったな……」とわかるくらい作り込みが雑です。
1200円という価格設定も たとえるならテレビショッピングみたいに「そんなにも余計な物を付けるよりも 値段を安くしたらどうなの？」と思わずにいられません。

熱中度に関しては 無理して遊べばそれなりに熱中できると言う意味を込めて1点を付けました。
グラフィックスに関しては 背景画像の種類が少なく ほとんどが「本当にパーティーのつもりか？」と思うほど地味でダサいので 1点を付けました。

COMMENT

生まれて初めて遊んだテトリスが このテトリスの人がもし居れば とてもかわいそう。
このゲームは 本当に作りが雑です。とりあえずソフトが出来たので とりあえず発売した感じ。快適さや面白さを追い求めてはいない。
これは最近のハドソンのゲームにありがちなことなんですが、表面上の華やかさや派手さを追い求めすぎて中身がスッカスカになっていると思います。
これは憶測の域を出ないのですが、例えば 収録されているゲームモードが非常に多いのも 販売促進する上ではゲームモードの多さが宣伝材料になるからでしょう。逆にゲームの中身の作り込みは宣伝材料にならないと。

家庭用ゲーム機で手軽にテトリスのネット対戦を遊びたいのであれば テトリスDSか もしくは（日本では売られていないので購入する敷居がとても高いですが）XboxLiveアーケードのテトリススプラッシュがオススメです。

使用したコントローラー Wiiリモコン バランスWiiボード（バランスWiiボードでテトリスのみ）