Wii mk2 :: 王だぁ！レビュー

王だぁ！レビュー

発売元	ポイソフト（オフィシャルサイト）
発売日	2009/06/02
価格	1,000（税込）
レーティング	A / 全年齢対象(CERO について)
ショップ/リンク	【 Amazon最新Wiiランキング】
タギングトップ3
タイトル概要	【Wii Ware】王様シミュレーション / 1人用

オリジナリティ	グラフィックス	音楽	熱中度	満足感	快適さ	難易度
4pt	2pt	2pt	1pt	1pt	1pt	1pt

総合点
33pt

GOOD!

＜＜選択肢がとにかく豊富＞＞
　マニュアルを見てもわかる通り（ネット接続さえ
　していればマニュアルは無料で読める）、
　システム的には信長の野望系と言っていい。

　できる事は思った以上に多く、何をするのも自由。
　この自由度の高さは素晴らしい。
　（あくまで脳内補完が必要ではあるが）時間を
　かけて一つ一つ命令を入力していくのが苦痛に
　ならないタイプの人は楽しめる出来。

＜＜ＦＣ〜ＳＦＣ世代を狙ったチープな雰囲気＞＞
　この場合のチープとはもちろんほめ言葉。
　昔のＲＰＧの雰囲気を出しつつ、その上で
　勇者側でなくそれを「使う」王になるという
　目の付け所はなかなか面白い。
　雰囲気だけ見ればスクウェアの名作「半熟英雄」
　に近い感じ。
　好きな人はそれだけで遊べてしまうかも。

BAD/REQUEST

＜＜操作性に難＞＞
　リモコンでもプレイできるようにとの配慮なのは
　わかるが、結局ポインタを利用した操作ができる
　わけでもなく、単にクラコン使用時にリモコンで
　使う最低限の種類のボタンしか使用できない制限
　となってしまっている操作系は、
　快適とは言えない。
　
　コマンドの入力も項目が多い割にショートカット
　等がほぼなく、ソート機能も適当。
　レスポンスも決して悪くはないがよくもない。

＜＜情報が多く、見づらい＞＞
　同時に表示される情報が少ない為、確認しながら
　命令を下すのにいちいち見て名前を覚えてから
　いったん情報ウィンドウを閉じ、命令コマンドを
　開いて入力、としなければならない。

　国の名前なども必ず地図上の位置を対応して表示
　してくれればいいのにそれもない為、自分で各国
　の配置を覚えていないと進行さえ困難。
　
　字が大きく見やすいのはいいのだが、もう少し
　まとめて表示できなかったものだろうか。

＜＜感情移入の出来ないランダム名＞＞
　これは仮想世界ゆえ仕方ないのだが、史実に
　即した人物はおろか例えば有名ＲＰＧのパロディ
　のような名称もまったく登場しない為
　（これは当然といえば当然なのだが。
　アイテム名などはそれっぽい物が多い）、
　大量に登場する人物や国、地方の名前が、
　まったく印象に残らない。

　ところが、前述のようにその名前を覚えて
　いないと進行させる事すらままならない
　ので、非常に困る。
　部下の名前も基本的に付け替えたりできないし、
　国や土地の名前、敵国の配下名、勇者名なども、
　結局この、あってないような世界観に沿って
　なんとか覚える事を余儀なくされる。

　しかしもとの思い入れがない以上、
　非常になじめない部分である事は否定できない。
　せめてワールドエディターのようなものが
　あって、全ての名称を自分で付け替えてから
　始めたり出来たら随分マシになったと
　思うのだが。

＜＜出来る事が多過ぎなのに効果が謎＞＞
　最初は出来る事の豊富さに内政が楽しめそうな
　印象だったのだが、少しやるとＭＡＸ値になり、
　かと思えば、他の分野の内政を進めると
　先ほど上げた数値がガクンと下がって
　もとに戻ってしまう等、内政自体の効果を疑う。

　戦争にしてもそうで、派兵したらしたで
　どのような戦闘がされているのかまったく
　わからないまま戦勝ないし敗戦報告だけが
　入ってくる。
　
　ある意味宦官の報告を聞くしかない
　中国歴代皇帝気分といえばそうなのだが、
　詳細がわからない為対策の立てようもなく、
　結局限界まで徴兵させて派兵、の繰り返し。
　しかもそれでなんとかなってしまう。
　
　内政、諜報、外交、軍事に部下を配備して
　それぞれ委任できるのもいいのだが、
　結果を見ていると結局直属にして直接命令
　しないとまるで動いていない部下が多く、
　無能な者や忠誠の低い者ばかりを近辺に侍らす、
　ダメ皇帝の見本のようなプレイに
　ならざるを得ない。
　
　各部署の長官に任命した者は一切働かない等、
　疑問符がつく仕様が目立った。

＜＜グラフィックが雑＞＞
　古きよき時代の雰囲気を出そうとしている
　のはとてもよくわかる。わかるのだが、
　ドット絵はＳＦＣというよりＦＣ後期の
　レベル。自分はゲームする時に絵はあまり
　気にならない方なのだが、それでも萎えて
　しまった。単に手を抜いているだけのように
　見えてしまうレベルなのだ。
　特に全キャラが基本グラフィックの使い回し
　で、特有の見た目が存在しないというのは
　思い入れのしにくさに拍車をかけている。

COMMENT

プレイ環境・・・ブラウン管２５インチ
　　　　　　　　Ｄ１インタレース接続。
　　　　　　クラシックコントローラー使用。

　Ｗｉｉウェアの利点としてマニュアルを読んでから
　購入できるという点が大きい。
　このソフトも雑誌記事とともにマニュアルを読んだ
　事が購入の大きな動機になった。
　
　実際にプレイしてみて、アイデアは悪くないのだが
　作り込みが非常に浅く感じた。
　千円だしこんなもんでよかろうという手抜き感が
　そこかしこに感じられるのはいただけない。
　
　もう少しじっくり調整すれば佳作になり得た作品
　だと思う。
　例えば仮想世界でこの位広大で国、地方数も多いと
　まず覚え、思い入れを形成するまでにひと苦労
　するので、もっと範囲を狭めてみるとか。
　あとはやはりインターフェイス関連の洗練が
　必要かと思う。
　やりたかった事は非常に伝わるだけに惜しいと
　思った。新興のソフトハウスのようだし
　今後に期待したい。