Wii U mk2 - Wii Uの参加型レビューサイト

GOOD!

Ｗｉｉの前作とＳＦＣシリーズプレイ済み、タブコン使用、クリア率約150%、現在ハードモード、タイムアタック挑戦中です。

元々良作だった前作のリターンズの課題点をほぼ全て解消して発売された正統進化だと思います。

○プレイアブルキャラ増加

前作のディディーに加え、ディクシー、クランキーがドンキーの相棒キャラとして追加。ハードモードではそれぞれ単体で使用可能。ただクリアするだけならディクシーで事足りるが、特にタイムアタックでは適した相棒が必要になっているから面白い。
クランキーの初プレイアブル化やショップにいるファンキーの復活で、前作で淋しめだったコングファミリーが少し賑やかに。

○アクションの操作性向上（ローリング、敵を踏んでの大ジャンプ）

前作と比して非常に大きな改善点。この点は、個人的に前作唯一とも言える不満だったので、本当に嬉しい改善だった。
ローリングリモコン振りからボタン連打に変わったことで、タイムアタックが非常にやりやすくなった。腕が疲れないから連戦、やり直しも苦にならないし、誤操作もおきなくなった。
敵を踏んで大ジャンプするアクションも出しやすくなった（と思う）。前作ではこのアクションをするのが非常にシビアだった印象があり、このアクションが必要な場面では常にストレスを感じていたが、明らかにやりやすくなったように感じる。

○水中面の復活、及び水中操作がしやすかった点

今作の目玉の一つ「水中面の復活」。どのゲームでも水中はストレスが溜まりがちな点、前作ゼロだった反動で水中が多過ぎないか、などを心配していたが杞憂だった。
泳ぎが必須なステージは多過ぎず少な過ぎず。泳ぎのアクションも速泳ぎ（アタック？）のお陰で敵も倒せて快適。酸素ゲージもほぼ気にしなくてよいように出来ている。

○ギミックの増加、演出の迫力アップ。

ファンにはお馴染のツタやタル大砲、トロッコ以外にも、トゲ床（クランキー用）やジップラインにホルン、スライサーなどギミックが豊富で、なかなか飽きがこない。
このシリーズはＳＦＣ時代に一度完成した感があるので、それに満足せず、次々と新たな魅力的なステージを用意してくれる点に敬意を表したい。
また、前作から演出面にも凝るようになっていると感じたが、今作ではその演出面の迫力がアップしてると感じる場面が多々あった。（カメラアングル等）

○タイムアタックの魅力大幅増

上記のアクションの操作性向上に加え、オンラインでのランキング表示、リプレイの存在、落下死後のテンポ改善、などのお陰で今作のタイムアタックはとても楽しい。
金メダル獲得のためのタイムが易化されたのも好印象。前作で金メダル取るのは至難の業だったけれど、今作は金メダル取るだけならランキング上位陣のリプレイを見て、何度もやり直せば比較的取り易くなっている。（スーパーゴールド（？）獲得は相変わらずベリーハードだけど、それは別に構わないと思う。）
どのコースも上位ランカーのリプレイ動画は参考になるし、その動きには思わず「スゲェ〜」と唸らされる。「そんな攻略法もあったのか」と感嘆させられることも多い。
一通りクリアした後で、好きなコースや得意なコースのタイムアタックをやる→ランキングを観る、の流れで燃える燃える。

とにかく、前作全然やり込まなかったタイムアタックを今作は結構やり込んでます。今作最大の魅力と言っても過言ではないかもしれない。

○ステージの雰囲気

前半は明るく和やかな雰囲気のステージばかり。エリア５はやや不気味に、最終エリア（エリア６）ではやや淋しい空気に。…と、エリアに合った雰囲気のステージ作りが丁寧に行われている印象を受けた。
エリア２のようなカントリー風のコースは今までのドンキーシリーズにはほぼなかった印象なので、なかなかに新鮮。エリア５の発想も見事。
最終エリアではコース名が前作のエリアから取っていて（「○○ビーチ」、「○○いせき」など）、奪われたコングアイランドを取り戻しに行く感じを出している。細かいがこの点も◎。

ＳＦＣ時代から雰囲気は全体に明るくなっているが、個人的にはＷｉｉ、ＷｉｉＵの２作の雰囲気の方が好み。
敵の魅力に関しては、トロピカルフリーズの方がリターンズより上と感じる。

○難易度

個人的な印象ではリターンズよりは若干易化。全体的にはちょっと難しいけれど、理不尽な難しさは感じない適度な難易度。
初見殺しもかなり多いけれど、チェックポイントも多いし、残機も非常に増え易くなっているため、ストレスはほぼ溜まらない。店で売ってる１ＵＰアイテムはフィギュアよりも安い。
エリア７やハードモード、Ｋステージはチェックポイントなしやライフ１などの縛りがあるため、上級者も長く遊べる仕組み。難易度の幅が広い。
ロケットとトロッコのライフが２になったのは嬉しいような淋しいような。（笑）

○音

本シリーズの長所の一つであるＢＧＭ。今回も良曲揃いだと感じた。ＢＧＭの兼用も少なく、固有曲が多い。アレンジもあるが、新曲が多いことが個人的には嬉しかった。
序盤は冒険の始まりを感じさせるような、終盤は寂寥感や終末感を漂わせるような、ステージの雰囲気にも合った名曲ばかり。
エリア２は良い意味で「ドンキーシリーズらしくないＢＧＭ」が多く、音楽スタッフの新たな一面、可能性を感じた。そういう新鮮さもあって、エリア２は個人的にお気に入りの曲も多いです。

地味な点だが、ＳＥ音も秀逸の一言に尽きる。これは前作とほぼ同じだと思うけれど。


前作のリターンズで、個人的に感じていた課題をこれだけ一掃して、良かった点はそのままorパワーアップしてくれたので必然的に満足度は５点。

適切な難易度、豊富なギミックと雰囲気の違いによる飽きないステージ構成、増加したタイムアタックの魅力、ハードモードの存在、などにより熱中度も５点です。

BAD/REQUEST

○快適さ

ハードモード
初見殺しがこれだけ多いゲームでチェックポイントなしはかなりキツイ。前半のエリアはともかく、エリア５や６は１コースがかなり長くなってるため特に厳しい。
ＫＯＮＧパネルのＧが取れずにミス→最初からやり直し、を繰り返すと流石にダレる。

隠しゴール
今作の新要素。「隠し」なのだから当然だが、あまり自力で見つけられなかった。
それだけなら問題ないけれど、今回は隠しゴールでクリアしないと挑めないコースがあるため、結局探さねばならず、攻略サイトを頼ったこともままあった。他はともかく、エリア４のあの隠しゴールは自力で見つけるのはまず無理なんじゃないかと感じた。

ロード
個人的にはあまり気にしない点だけれど、ロードは若干長めだと思う。コースの出入りはともかく、ゲーム開始時やファンキーの店など、ロードが気になる人は気になるであろう長さ。

地味にコース一覧がそのエリア分しか表示されないのも「快適さ」としてはマイナス。

以上のように細かい点だが、痒い所に手が届いていない感はあるかも。

○サウンドテスト

前作もそうだったが、「おまけ」で全ステージの音楽が聴けない。１−４「ツイスタートロッコ」、３−１「サバンナパレード」で流れる曲が聴けないのが個人的には特に残念。
曲聴きたければ、ステージ入って進めなけりゃいいだけの話でもあるけれど…。

○ディクシーの必殺技

新制度の必殺技。ディディーとクランキーはともかく、体力を最大８まで増やせるディクシーの必殺技はバランスブレイカーだと思う。
ボス戦でも使用制限はないので、エリア３、５以外のボスは体力だけある雑魚同然になってしまう。ラスボスにも有効だし。

○マーケティング

ここ（ユーザー向けのサイト）に書くことではないのかもしれないが、マーケティングは下手過ぎると思う。
公式サイト（日本向け）の開設は無茶苦茶遅い、ＣＭは見かける回数自体ほぼなく、内容も北米版の方がずっと出来が良い、任天堂サイトの社長が訊くもなし（リターンズの時はやってた）、等々、ぶっちゃけ売る気あるのか、と。

増税で消費が鈍る前に、このソフトを強烈に推して、一緒にＷｉｉＵの駆け込み需要を高めるぐらいの気概を見せるべき。
ＷｉｉＵの現状を考えるなら尚更、こういったメジャータイトルこそ力を入れてプッシュするべきではないかと思う。

COMMENT

ゲーム、シリーズ初心者から上級者まで楽しめる、横スクールアクション最高峰の一作だと思います。アクション苦手な人も見捨てず、上級者にも満足出来るやり込み要素を用意している、という姿勢には非常に好感が持てます。

長々書きましたが、簡潔に言えばＷｉｉ版の前作から操作性とタイムアタックを強化した正統進化作かと。
ＳＦＣ時代からシリーズのファンで、「当時と雰囲気が違うからちょっと…」と敬遠している方も是非。絶対楽しめると思います。