Wii mk2 - Wiiの参加型レビューサイト

GOOD!

良い点
ドラクエ初のオンラインということで、斬新・画期的なところは多い。

・ストーリー
オンラインゲームであるため、過去作と比べるとやや見劣りする。だが、「ドラクエらしさ」は健在。他のゲームと比べるとかなり凝った方だと思う。

・サーバー
自由に行き来できるため、サーバーの概念が薄い。これにより、人の多いサーバー1、2でパーティー募集、人の少ないサーバー10、20でレベリング、というように使い分けできる。

・元気玉システム
元気チャージ（ログアウト時間）22時間で「元気玉」（30分間経験値＆お金2倍）というアイテムを手に入れることができ、IN率の低いプレイヤーでもサクサクレベルを上げることが可能。

・サポート仲間システム
ドラクエはパーティープレイが前提だが、ログアウトしたプレイヤーをAIとして雇うことができるため、ある程度ソロ攻略もできる。

・経済
何といっても人が多い（今は過疎気味だが他オンラインゲームの比ではない）ため、バザーの回転が早い。

BAD/REQUEST

次に悪い点。
結構問題は多い。

・ストーリー／悪い点
ストーリーを進めている気がしない、と言えばいいのだろうか。物語は壮大で「大陸が滅びてしまうかもしれない」というものまであるが、NPCの台詞やフィールドの変化がほとんど見られず、実感がない。また、追加のクエストや神話（追加）ストーリーではMMO特有の「おつかい」クエストがほとんどであるため、（内容は良いのだが）ストレスを感じる場面が多い。

・世界観のギャップ
大型アップデート1、2で「魔法の迷宮」（いわゆるインスタンスダンジョン）が実装されたが、何故か迷宮のボスがふくびきけんを落としたり・・・ベリアル、アトラス、バズズといった過去作ボスと戦うためには、何故かふくびきの1等、2等で手に入るコインを使わなければならなかったり・・・内容と世界観が一致しない、というような事が多々ある。特に後者では、売られているボスのコインを買って戦う、というようなシュールな光景が見られる。

・サーバー／悪い点
サーバーを自由に行き来できる反面、1つのサーバーにプレイヤーが集中しすぎて不具合発生、というようなことがある。詳しい説明は省くが、メギストリスという町にプレイヤーが集中しすぎてNPCが移動したり、落ちたりした前例がある。

・元気玉システム／悪い点
元気チャージ・元気玉の所持数には限界があるが、元気玉を使い切れない。トレードしたり別アイテムに変えることもできないため、元気玉が大量に余る。

・BGM
種類が少ないため、飽きが早い。

・グラフィック
WiiU、PC版は良いのだが、Wii版はキャラが5〜10人くらいまでしか見えない。画質も最悪。WiiU、PCは良。

・職業バランス
一部の特技・魔法が突出しているため、ほとんど使われない不遇職・不遇武器がある。
例は以下の通り不遇職＆武器:レンジャー（一部のレベリング＆アクセサリパーティー）賢者（一部のボス、レベリングのみ）、旅芸人（ほぼ使われない）弓（一部のレベリングのみ）、ムチ（使う機会はほぼない）等々優遇職＆武器:武闘家・盗賊（ツメのタイガークロー／特技が物理最高火力）僧侶（唯一のヒーラー）、魔法使い（魔法の最高火力）戦士・パラディン（唯一の壁ではあるが、まだ使う機会は少ない）等々職業・武器ごとの役割が曖昧であるため、最高火力のツメ、魔法使い、唯一のヒーラーである僧侶などに集中してしまうのは当然の事。職業・武器ごとにオンリーワンの個性があれば・・・

・職人バランス／経済／悪い点
これは数あるオンラインゲームの中でも最悪と言っていいだろう。作ったものを納品できるのは1日3つまで。他に納品系のクエストは無し。これでは装備が供給過多になるのは当然で、経済がデフレ化する。結晶化（使った装備を結晶という素材にすることで、経済の回転を促進するシステム）の実装で一定のレベル以下の装備の需要は上がったが、高レベル装備は元手が高すぎるため相変わらず。職人で大幅に儲かるのは新装備くらいだが、高レベル装備の作成に必要なレベル（30→40レベルまでは膨大な経験値が必要）は高く、さらに元手（1つの装備に15〜20万）もかなり必要。そのため新規は参入しづらく、儲かるのは一部の廃プレイヤーのみといった状況。このままいけば職人システムは先細りしていくだろう。

・バトル／バトルバランス
ドラクエ10では「すもうバトル」と呼ばれる戦闘方式だが（敵を抑え、攻撃までのタイムラグを増やす）特技や魔法のモーションも含めて地味。戦闘も単調で、すぐに飽きがくる。エンドコンテンツのボスはダメージが異常で、ほぼ1、2撃で死ぬ。どのボスも「ダメージが高い」「技が強い」だけで特別な攻略法はないため、これも飽きが早い。

・キャラ育成
ドラクエ10ではレベルよりも「パッシブ」が重要となる。パッシブとは、常時HP＋30というように、他職でも効果が継続される基礎パラメータ＋スキルの事である。これをフルに取ればHP＋120、MP＋80まで上げることができ、無パッシブプレイヤーとの間に大幅な差が生まれる。そのため、キャラの育成法はある程度固定され、上げたくもない職業をレベリングしなければならない。

・運営＆イベント
これも某ネクソン並・・・とまでは言わないがかなり悪い。はぐれメタル増殖バグなどの運営の根幹に関わる事態での対策は早いのだが、明らかに悪い職業バランス、職人バランスをベストバランスだと言い張ったり、微妙なイベントを正当化したりといった、無駄にプライドの高い対応が目立つ。特に藤澤Dがツイッターで失言後数分で削除された話は有名。過去には「プレイヤー全員で○○を倒せ」などというイベントがあったが、討伐モンスター数が増えた実感すらない（1万匹って・・・）、薄っぺらな内容だった。

COMMENT

Wii、WiiU、PC版は全てプレイ。
Wii、WiiUはヌンチャク、クラコンどちらも。

私はファミコン時代からのドラクエ信者だったが、ドラクエ10はドラクエではないと感じた。ドラクエ生みの親である堀井氏らしさは薄っぺらくなり、（実際堀井氏は運営にほとんど関わっていない）運営が無知なのかバランスも最悪。大型アップデートも1年間「最初から出しておけよ・・・」というようなコンテンツを
小出しにしていただけで、金策とレベリングの延長でしかなかった。ラスボス討伐までは安易にオンライン化した弊害も目立たず、それなりに楽しめるのだが、それ以降は目標もなくレベリング、金策をするだけ。やり込むのではなく、ラスボス討伐までストーリーを楽しむ分には良いゲームだと思う。

とはいえ、今後のドラクエ10にもあるて程度希望はある。Ver2、0解放と同時、ようやく藤澤Dが辞めてくれるそうなのだ。そもそもドラクエのオンライン化に反対していた人を任命するスクウェアエニックスもどうかしているがその後のディレクターの手腕次第では、本当の「ドラクエ10」が復活するかもしれない。・・・まあ、正直、新生ドラクエ10にでもしなければ解決はしないと思うのだが。