Wii mk2 - Wiiの参加型レビューサイト

GOOD!

既存の音ゲーのように音符にいかに正確に合わせるかを競うものではなく、俺なら私ならこうするを即座に叶えてくれる部分が実に楽しいです。

なんとなく楽器を携えなんとなく弾いてなんとなく崩していくといつの間にか自分だけの曲が生まれていく様は実に不思議で楽しいものがあります。
小さな子たちがただ振ってボタンを押しても「その楽器のそれっぽい音が」いくらでも出てくるし、初心者が恐る恐る弾いてもやっぱり想像した様な音がスピーカーからこぼれ出してきます。

指揮者の佐渡裕氏がWii Musicについて仰る様に色々な楽器は一般の人の身近に有るとは言いがたいですし、またそれを用いてセッションをするなど市井の人には到底無理な事なんですがそれをあっさり可能にしてしまうのですからこれは凄いと思います。

そう言うハードルを飛び越えて、どこかで聴いたことのある曲を自分も聴いた事の無いような曲に仕上げ楽しめる、まさに音を楽しむソフトです。
そしてその楽しく（もしくは苦心して）作り上げた楽曲を採点するのもまた自分自身。Wii Musicの象徴的な操作の部分ですね。


一人で納得の行くまでアレンジ。みんなで集まって好きにセッション。
既存の音ゲーのようなミニゲームで息抜きをしてジャケット製作で頭が沸騰。
基準はすべて自分自身。

パッケージやMiiの可愛い印象からは想像も出来ないほど深く楽しめる一品だと思います。

BAD/REQUEST

やはり楽曲の少なさでしょうか。
各アレンジコード分も用意しなければならないのでプログラム的に相当大変なのは承知していますが、200曲は有ってもっと年代の幅ジャンルの幅もあるべきかもと思いました。

自分からどんどん踏み込める人には童謡をジャズだのピップホップだのに変えることは訳無いのですが、そうでない人や子供たちが主に遊ぶジャンルの枠から外れずになんとなく雰囲気を楽しむと言うやり方の場合には曲数とジャンルそのものが多い方が良いと思われました。

楽曲の選択も全年齢を考えた上でそうなったとは思いますが、割と戸高氏や宮本氏の時代に合ったものが多いのかなという印象です。


楽器自体の操作についてはほとんどの楽器を打楽器に変換している性質上まあそんなものかなと思いはしますが、ヴァイオリンをBやZのボタンで音を出すのでなく弓の操作だけで音を出し強弱もつけられるようにしたり、アコーデオンで和音を出したいとかエレキでスラップをしたいとかを叶えるべく同時押し操作でのテクニックの広がりも有って良かったと思います。

Wiiコントローラーの限界もあるので一般的に想像し得るなんちゃって奏法とはちょっと違うものが結構あるのでそれに戸惑う場合はかなりあると思います。

加えて尺八やお琴や鼓も有って欲しかったですねなどと言い出すと切りもありません。

それとドラムレッスンも面白いのでそれ用にFitボード同梱版も有っても良かったのかもしれませんね。

COMMENT

難しさ。かなり難しいにしたのは先述の「俺なら私ならこうする」が際限無く、自分の要求するままに変化してしまう部分を捉えてのものです。

また未クリアであるのは好きにアレンジして音を楽しむことにクリア条件がある訳ではないからです。

ただ楽器の作法を無視して闇雲に叩くだけでも音が出て、しかもそれをさりげなく既存の楽曲のアレンジコードに絡ませてそれなりに音楽を誰でも楽しめると言う所では最高に簡単。事実初めてWii Musicに触れた子供たちが目をきらきらと輝かせて遊ぶ様は素敵としか言いようがありません。

楽理は有っても無くても良いのですね。
ソフトを作った側が数多の楽理でサポートしてくれてますからどんな人でも安心。

人によっては好きに作曲が出来ない、楽器としてリアルじゃない等での文句があると思いますが、それを満足させたいならDTMでやるかDS-10等でやるか実際の楽器をいじってみるべきでしょう。

このソフトはあくまで個人ではなかなか揃えられない楽器を多数揃え、用意された楽曲を好きに変えて楽しむためのものでしょうから。
いわば超豪華なトイピアノです。

それゆえ旧来の感覚で捉えると間違いなくつまらないものになります。
受動でゲームをするのが好きなタイプは触らない方が吉。
またトイピアノにまず最初にカッコ悪さを見てしまう人にもお薦めは出来ません。


決して万人向けではないと思われるこのソフトですが、既存の音ゲーで遊んでいる最中に音を外してみたくなったり別な所を叩いてしまう人やエアギターに共感出来る人、環境音を音楽に捉えられる人等を包括してとにかく音で楽しんでみて自分だけのものを能動的に作りたい人にはとってもぴったりしています。

そしてそう言う人たちは数多く居られるんじゃないかなと思います。