王様物語 レビュー

王様物語
発売元 マーベラスエンターテイメントオフィシャルサイト
発売日 2009/09/03
価格 7,140(税込)
レーティング A / 全年齢対象(CERO について)
ショップ/リンク 【 Amazonレビューも参考にどうぞ 】
タギングトップ3
タイトル概要 王国ワラワラRPG / 1人用


オリジナリティ グラフィックス 音楽 熱中度 満足感 快適さ 難易度
5pt 4pt 5pt 4pt 4pt 3pt 3pt
総合点
82pt

GOOD!

まずオリジナリティということですが、自分が王様であり
国民の生活に多大なる干渉を与えることができるというシステムが面白い。
税金の取り立てや親衛隊に入れてコキ使うなんてことは勿論、
職業の選択や国民同士の結婚なんてことも自由にできます。
王様というより、独裁者に近いのかも?

「国民の自由は王の命令のもとにある」と言ってもはばからない
傲慢さを体験できるのは、このゲームならではでしょう。
そういう面でのオリジナリティは非常に高い。よって満点の5点。


音楽がいいですね。
クラシックが大半を占めるのですが、アレンジではなく原曲。
威風堂々・ウィリアムテル・G線上のアリア・くるみ割り人形などが
ゲーム中に高らかになり響きます。
このゲームほどクラシックの似合う曲もないし、改めてクラシック音楽の
素晴らしさを体験できた気がします。これも満点の5点。


グラフィックも頑張っています。
万人向きではないのかもしれませんが、キャラクターもかわいいし
国民の生活や細かいしぐさまで、かなり頑張って書きこんでいます。
このあたりは開発に時間をかけただけあって非常に丁寧な作りですね。
ただ、どうしてもこの手の絵本調というようなグラフィックは
パッと見て奇麗と見えるタイプではないので、残念ながら4点。

BAD/REQUEST

このゲームは、わらわらRPGなどというよくわからないゲームですが、
ハッキリ言ってアクションゲームです。RPGではないです。
理由は、主人公・国民ともに経験値などで成長しないからです。
まだ国民は体力アップやアイテムなどを装備で体力等変化しますが、
主人公はまったく成長しません。
成長しないゲームは、自分はRPGとは認めたくないです。
このゲームが完全なアクションとわかっていたら、購入をためらったかも?


難易度にも触れておかなくてはなりません。
このゲームの難易度は3なので、ものすごく高いというわけでもないのですが、
それでも死んでパターンを覚えて攻略するというタイプのゲームです。
何度もゲームオーバーになりながら、コツをつかんで攻略する。
どちらかと言えば、昔ながらの硬派なアクションと言えるでしょう。
何度もロードしなおしたりするので、最近の親切なシステムのゲームではないです。


それからシステム上でも難易度が上がっている気がします。
?選べる職業が多く、なおかつ専業
?一見自由度が高そうに見えて、マップがほぼ一本道
?自由にセーブ・ロードできない
などによるものです。

もうちょっと詳しく解説します。
?はこのゲームの売りの一つなんですが、私に言わせれば
足かせにもなっていると思います。
システム理解に時間のかかるこの手のゲームで、選択肢が豊富に
あるというのは、プレイヤーにとって迷いを生みます。
専業というのもネックですね。
特定の職業がいないと全く先に進めず、職業も説明書に全部書いてません。
私は工夫がいなくて、先に進めなくなりました。
特定の職業を得るには、ミニクエストを消化して領土を広げる必要があります。
自分はクエスト系は本編に関係ないと思っていたので、後回しにしていました。
ゲーム中のキャラもいつでもいいみたいなことを言っていたのに・・・

?については一本道のシナリオが悪いと言っているのではありません。
自由度が高そうに見えてがポイントなわけです。
いろいろと細かい道に行けるのですが、ほとんどが行き止まりで
結局先につながる道は1つだけというシステム。
一言で言って、かなり迷いやすいマップ構成になっています。
さらに?のシステムがそれに輪をかける形です。
自分で道を切り開いていくというタイプのゲームですので、
たとえ行き止まりでも何かの職業を使えば先に進めるのでは?
という気になります。
実際私はそれでかなりの時間迷いました。

?はセーブするためには一度城に戻り、椅子に座って大臣を呼ばなければいけません。
さらにロードは最初かゲームオーバーのときのみ。
ちょっとしたことですぐにゲームオーバーになるシステムなのに、
セーブ・ロードが面倒なため、ついついさぼってしまいます。
そうするとせっかく先に進めても、ゲームオーバーでやり直し。
こういったことが何度もありました。
自分のクリアー時のセーブデータは25時間ほどですが、実際には35時間ほど
遊んでいます。
セーブできなかった分のデータが10時間ほどあるわけですね。

こういう細かい繰り返しがやる気をそいでしまうので、先の展開を見たいという
衝動に駆られるものの満点をつけられないので4点。
セーブ・ロードが快適でないので快適さは3点としました。
もっと簡単にセーブ・ロードできるシステムだったら、快適さは5点あげたんですが。


あと、国民に愛着を持てません。
だから○○が死にました、とか言われても「それ誰だっけ?」の世界。
理由の一つに国民の顔が見えないことですね。
一人一人顔グラフィックを表示するのは大変でしょうが、
それをやらないと100人以上出る国民に個性などでません。
顔グラフィックがあれば、例えばこの子可愛いから隊列に入れるとか、
結婚させないとかといった不毛な楽しみ方もできたんですが・・・

COMMENT

全体的に面白いゲームではありますが、万人にはお勧めできません。
お勧めできるのは、アクションが得意(または好き)で、
ゲームオーバーのやり直しが苦にならない人、ということになります。

バッドが多くなったのは、あと少しで非常に快適なゲームに
なったであろうということが、とても惜しいからです。
ゲームの面白さから比べたら、微々たることなのかもしれませんが、
その微々たることが積み重なって、面倒くさいにつながっていくわけです。
100点満点のゲームは作れなくても、次回に改善していただければ、
90点以上にまで上がる可能性のあるゲームだと思います。
幸い海外では売れているので、何らかの形で続編が出るかもしれません。
次回作があるのでしたら、こういう部分の改善を求めます。


さて、余談ですがこのゲームは、発売前に別のことで話題になりました。
ご存知の方も多いと思われますが、例の「死にたくない」発言です。
日本でWiiのソフトが売れないことが原因なのでしょうが、
ゲームメーカーの悲壮を物語る一幕として、注目を浴びてしまいました。

このゲームは、一風変わった作りの変わったゲームなのですが、
この手の変わったゲームが売れるのは、残念ながら日本では任天堂のみと
言っても過言ではないでしょう。
任天堂は過去の実績もさることながら、会社名そのものがブランド化しているので、
変わったゲームでも、いや、変わったゲームだからこそ売れるのかもしれません。
任天堂だから、何かやってくれるのではという期待感が高いので。

以前はWiiでも任天堂ソフトのみが売れるという状況だったのですが、
最近は状況が少し変わってきました。
任天堂ソフトすら売れなくなってきているんです(9月17日現在)。
今年発売された任天堂製ソフト9本のうち、初週1万以下は4本。
1万を少し上回るという数字のソフトが2本。
以前と比べて、明らかに売れなくなってきています。

Wii全体でみると、今年発売されたのは60本強。
そのうち、確実に10万以上売れたと思われるのが、わずか6本。
さらに5万以上10万未満と思われるのが、5本前後。
マーベラスは売れないと嘆いていますが、ほかも売れていないわけです。
(むしろマーベラスは健闘している方だと思う)

私はこのゲームが、サードパーティが発売する最後のオリジナルソフトに
なってしまうのでは?という危機感をかなり感じます。
出来れば、Wiiで続編が出てほしいものですが・・・

プレイ時間:30時間以上40時間未満(クリア済)
くろふさん [2009/09/20 掲載]

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スコアボード

王様物語評価ランク
中央値
68
難易度
3.40
レビュー数
10






サイト情報

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