スーパーロボット大戦NEO レビュー
発売元 | バンダイナムコゲームス(オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2009/10/29 |
価格 | 8,379(税込) |
レーティング | A / 全年齢対象(CERO について) |
ショップ/リンク | 【 Amazonレビューも参考にどうぞ 】 |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 | シミュレーションRPG / 1人用 クラコン 対応 |
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サイト情報
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GOOD!
【総評】
いろいろな意味で従来の枠に収まらないスパロボですが、その「枠を飛び越えた冒険」は概ね成功で、十分に満足できる内容に仕上がっていると思います。
【参戦作品・シナリオ】
エルドランシリーズ全作参戦、ラムネやリューナイトといった異世界組参戦など、発表時から話題の絶えなかった本作ですが、シンプルな熱血展開の作品が揃っていたことで各作品の持ち味を損なうことなく、良い具合にそれぞれが交じり合っています。今回初めて仲間になるベルゼブを含め、ライバルキャラクターがしっかり活躍する点も素晴らしいです。
また、一部で不安視されていたアイアンリーガーや新ゲッターの参戦についても、原作終了後の展開を採用したりいくらかキャラクターの暴力性を薄めたりしたりといった工夫により、うまく他作との親和が図られていました。意外に何とかなるものですね。
これらの参戦作品のチョイス故に20代前半ホイホイとの評もありますが、原作を知らない方がプレイしても、原作の雰囲気を肌で感じて楽しめる良質な作りになっていると思います。
【戦闘アニメ・演出】
αDC・GCと評判の芳しくなかった3Dの採用ということで、前評判では不安視する向きもあった戦闘アニメですが、これまでよりはかなり出来が良くなっています(2D、それもZ等と比較してしまうと見劣りはしますが、流石に酷かと…。これはこれで2Dにない味があると思います)。
また本作はBGMにもかなり力が入れられており(流石にサルファやWのガオガイガー系BGMの充実度と比較すると見劣りしますが)、新規参戦作品のBGMは4種類ずつ程度を収録。リューナイトファンの私としては「メテオザッパー」がきちんと収録されていて感激しました。ほか、一見原作付の曲かと勘違いしそうな「雰囲気を弁えたオリジナル曲」も充実しており、歴代でも高い評価を付けて良い出来だと思います。
【システム・戦闘のバランス】
グリッド廃止、母船能力の大幅強化、気力・SPの仕様の大幅変更等の目玉新システムについては、最初こそ戸惑うものの、馴れればその自由度の高さに魅力を感じるようになることと思います。特に、マップ上の同時出撃機数にのみ制限があり、常に全機が出し入れ可能というスタイルがかくも気持ちいいものとは思いませんでした。
また、母船・イズミの回復魔法・消耗式回復パーツの仕様変更といった『回復能力の充実』、脱力等『一部精神コマンドの大幅な性能強化』等の救済措置も充実しており、新システムへの慣れ不足故に戦闘が上手くいかない場合の打開策についても配慮されていると言ってよいでしょう。
パイロット及びユニットの各種パラメータの大幅な簡略化については、最初はどうかなと思いましたが、逆にこのぐらいシンプルな方がとっつき易いかもしれません。
【オリジナル設定】
主人公、敵勢力の設定については概ね無難な出来で、目立ち過ぎず控えめ過ぎず、いい具合に各原作を引き立てていると思います。
また、シリーズを通じても異色のオリキャラ・ザンパの存在は特筆に値します。彼の存在一つとっても、如何に(主に異世界勢を中心とした)原作の雰囲気を損なわない世界観構築に尽力したかが見て取れるでしょう。
【その他】
・今回のドモンは原作終了後であることもあり、MX以上の大人キャラになっている。師匠や兄貴が登場しない分、かなりのかっこよさを見せてくれる。
・エルドランの合体システムは最初結構戸惑うが、馴れてくると結構はまる。また、サンダーライガーへの変身やリューのクラスチェンジでHPが全回復する仕様も助かる。
BAD/REQUEST
【総評】
上述したように、大きな変更点については満足ですが、細かい点では改善要望点や惜しまれる点も目立ちます。
【参戦作品・シナリオ】
上記の通り新規参戦組が活躍する半面、それ以外の作品は完全に彼らの引き立て役に回っており、原作シナリオはほぼ登場しません。尤もこの点は「スパロボへの出演歴の長いベテラン勢が先輩として新規参戦組をサポートしている」という見方の方が妥当かと思うのですが、それら作品の原作展開を望む人にはマイナスポイントでしょう。まぁ欲を言えば、ブンドルとかカーメンとか東方不敗が暴れるところは見たかったかなぁ…。
後、アイアンリーガーの登場キャラクターの少なさはよく話題に上りますが、個人的には各種演出で補って及第点ではないかと思います。個人的には、バーチャロン等の前例に倣って次回参戦でのメンバー勢ぞろいを期待しています。
【戦闘アニメ・演出】
3Dアニメの出来が向上した一方で、シームレスに移行する通常技の方はもう少し作り込めたかな、との印象はあります。また3Dアニメについても、台詞のバリエーションがもう少し充実していればより楽しめたのではないかと思います。
また演出についてですが、できればデモムービーが欲しかったところです。特にエルドランシリーズの合体シーケンスは物凄くデモムービー向きなだけに、光の弾同士が融合して一瞬で合体、という簡素な演出は悔やまれます。
あとは戦闘BGMの音量。せっかく収録曲が充実しているのに、一部音が小さいのが少々残念…。必殺技の演出が若干食われてしまっています。
【システム・戦闘のバランス】
他の方も指摘されていますが、ソフトリセットのない仕様は最初戸惑います。まぁ、本作では囲みによる命中補正のおかげでソフトリセットの重要度は低く、さほど気にはなりません。
それより気になったのは敵の能力値が確認できないという仕様の方です。敵の能力はHPなど一部を除いてマップ中での確認が出来ず、特に所持武器の種類すら把握できないのはきついです。MAP兵器を所持しているのか、囲んだら危ない敵なのかどうか等は、プレイの中で探り探り把握するしかなく、結構戦々恐々とします。尤も2周目以降はさしたる問題ではなくなりますが。
【オリジナル設定】
オリジナル機体のデザインについてですが、主人公機であるシグザールの初見の印象は「目がくりっとしてて可愛いなぁ」。あまり武人っぽく見えませんでした(この点は後継機であるシグザリアスに進化すればやや改善されます)。また、スレイブポットやプルケリマ等、敵ザコ機の超シンプルなデザインは賛否の割れるところでしょう。
後、本作はオリジナルデビルガンダムが登場するなど、久々にデビルガンダムが大活躍します。
【その他】
その他、スパロボヘビーユーザーとしての愚痴。
・敵ザコはもう少し種類がいても良かった。魔界獣やモンスカーは最初から最後まで2種類だけだし…
・隠し要素が3種類と少々少ない。
・→関連事項として、図鑑類を埋める楽しみがいまいち。個人的には、やはり旧仕様の「総数不明」「達成度%表示付き」が一番好き。
・リューナイトとガンバルガーの決戦シナリオがルート択一になっている。従来作でもよく見られた現象ではあるものの、これはどちらも見られる格好にしてほしかったところ。合流後のもう一方の戦況報告も凄くあっさり。
・なぜエンジン王が仲間にならない…
・ベルゼブが仲間になるのに、なぜライジンオーとの合体攻撃がない…対戦で実装されてた絶対無敵剣は欲しかった。
COMMENT
これまでのスパロボシリーズ(一応シリーズは全作品プレイ済です)と比較しても、新たな領域の開拓に成功した良作。細かな不満点はあるものの、新たな意欲的刷新点がそれらを帳消しにして余りある出来と言って差し支えないと思います。
野心作としてはこれまでにもScramble Commanderシリーズや学園などの作品が送り出されていますが、これらの作品がシミュレーションRPGというジャンル自体の枠を超えた作品であったために障壁が高くなっていたのに対し、従来スタイルの延長線上で作成された本作はいい具合に「新スタイル」に対する敷居が低く出来あがっています。
ヘビーユーザーの方にも従来とはスタイルの異なる新たなスパロボとして、新規ユーザーの方にとってもシンプルで敷居の低い導入作として、ぜひお勧めしたい一本です。