ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー レビュー

ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー
発売元 スクウェア・エニックスオフィシャルサイト
発売日 2009/11/12
価格 7,340(税込)
レーティング B / 12才以上対象(CERO について)
ショップ/リンク 【 Amazonレビューも参考にどうぞ 】
タギングトップ3
タイトル概要 アクション・アドベンチャー / 1〜2人用


オリジナリティ グラフィックス 音楽 熱中度 満足感 快適さ 難易度
4pt 4pt 4pt 4pt 4pt 3pt 3pt
総合点
77pt

GOOD!

キャラクターとストーリー
声優の演技が上手いこともあるが、全体的にキャラの性格付けがはっきりしていて魅力的。
ストーリーについても、オープニングでは置いてけぼり感を感じたが、プレイして行くに連れて理解が進み、シナリオ自体もシンプルで解り安かった。

ギミック
恐らくこれが本作の売りだろうが、フィールドやモンスターに多彩なギミックが仕込まれている。
戦闘一つ取っても、HPの減ったボムを投げて爆弾にしたり、魔法を使う敵を掴んで敵に魔法を使わせたり、大食いな敵の口にモンスターを投げ込んで素材に分解したりと、あらゆる場所にギミックが詰め込まれている。
また、通常のフィールドもギミックに溢れている。
犬に動物の骨を投げると追いかけて何処までも走っていく等、特にデータとして利益にならないけど、動かして面白いだけの物の他に、見つけることで勲章を得られる物、金品の入手に繋がる物等がある。

音楽
音楽はPS2でのフロントミッションシリーズを手掛けた岩崎英則氏、山崎良氏を中心としたメンバーで作曲されている。
両氏の作る曲は、最近の自己主張の激しい「いいゲーム音楽」と違い、確実に場を盛り上げつつ、他の演出の邪魔をしない「BGM」として非常に完成度が高い。

BAD/REQUEST

瘴気ストリームの出現までの時間や、戦闘終了までの時間が解らない。
出現と消失の時間設定は妥当だと思うが、あとどの程度で戦闘が始まり、どの程度で終わるのか把握出来ないのは辛い。
(制限時間自体不要という意見を見るが、敵の攻略法を見つけて時間内に敵を全滅させるのがこのゲームにおける戦闘の要旨に感じるので制限時間を無くしては逆に台無しだと思う)

文字が小さい
フィールド毎にちょっとした小話が流れたり、戦闘が始まればモンスターのちょっとした情報が表示されたりするのだが、元々忙しいゲームの割に文字が小さいため、読んでいる暇が無い。

移動関係
全体マップやフィールドの繋がりが把握し辛い。
また、瞬時に長距離移動出来る移動手段がいくつかあるが、乗降口の場所を把握するのに時間がかかる。

NPCの特殊性
特定のNPC以外は喋らないし、NPC同士勝手にぶつかり合ってコミカルに吹っ飛んだりする。
ゲームに慣れてくると、そういう仕様にした理由も解って来るが、最初は戸惑う。

その他不満点
敵にやられた場合はオートセーブした場所に戻ることが出来るが、何処まで戻るか解り辛い。
同じアクセサリを作ると付加効果を持ったものが出来るのだが、そのために後半は装備変更が煩雑になる。不要なアクセサリは隠したり預けたり出来ると良かった。
宝箱が何度も復活するが、一度空けた箱は中身が貧相になる。空けた箱は色を変える等して欲しかった。
ゲームの方向性そのものが非常に特殊なため、人を選ぶ。

COMMENT

引力を使って物を引き付けたり投げたりする事で、フィールドやモンスターをいじっていじっていじり倒すゲームです。

ストーリーを最短で追って、殆どの敵をスルーし、クリアに必要な敵だけをオブジェクトを拾って投げつけるだけで倒しても、クリアは出来ます。
しかしそれでは、このゲームを遊んだことにはなりません。
おかしな挙動をしているNPCは大抵何かギミックを持っています。平定の難しい瘴気ストリームは、必ず攻略に繋がるギミックがあります。
「まだ何かあるかもしれない」とあれこれ試す事が、このゲームを楽しむ鍵です。

また、個人的にはキャラに物凄く惹かれました。脇役、悪役ももいい味出してますが、レイルのキャラは今までプレイしたRPG系のゲームでもトップクラスの好感度です。


以下は、mk2のみならず、近年ネット全体に蔓延しつつある、妙な批判の空気に対する私見です。
レビューという趣旨からずれていることは把握していますが、最近あまりにも酷い傾向が見られるので、不掲載覚悟で書きます。

まず、このゲームは批判と賞賛で評価が割れている様ですが、世間の評価を知った上でプレイして感じたのは「ゲームを遊ぶのが下手な人が増えたんだな」ということです。

下手というのは技術的な話ではなく、ゲーム自体を楽しむのが下手という意味で、ゲームの中で自分で考えたり、試したりすること自体をしない人がとても増えたということです。
上手くいかなくても、そこで自分なりの解法を探したりはせず、すぐゲームの出来が悪いのだと決め付けてみたり、ちょっと解らない事があればすぐに攻略サイトに頼って、自分で見つける快感を放棄したり・・・
それでゲームが楽しめる訳がありません。

謎解きを謎解きとして遊んでもらえるのは、ゼルダや世界樹の様な、「攻略を見るのは無粋」というのが定着した作品だけな様に思います。
ネットで言う最高権威がマジョリティであるなら、ある意味ではゲーマーが酷く権威主義になったとも言えます。

また、開発元からそのソフトの概要を先に決めてかかってプレイし、それと合うキーワードを見つけてさっさと結論を出してしまう人がよく見られ、そういう人は評論も的外れな批判が多いです。
もし、このソフトがスクエニの名を伏せ、全く同じ内容で任天堂あたりから発売されていたら「(任天堂だから)きっと何か仕込んでいるはずだ」と、積極的にギミックを探す人が増えたたのではないでしょうか。

最近のすぐに批判から始める傾向を見ていると、そういう人はゲームそのものを楽しむのでなく、気に入らない部分を評論することでカタルシスを得ているのではないか?とすら感じます。

プレイ時間:30時間以上40時間未満(クリア済)
農民さん [2010/04/19 掲載]

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