ドラゴンクエスト25周年記念 ファミコン&スーパーファミコン ドラゴンクエストI・II・III レビュー
発売元 | スクウェア・エニックス(オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2011/09/16 |
価格 | 4,440(税込) |
レーティング | A / 全年齢対象(CERO について) |
ショップ/リンク | 【 Amazonレビューも参考にどうぞ 】 |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 | ロールプレイング / 1人用 |
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GOOD!
【原初的な意味でのRPG(役割を演じる)を味わえる】
とは言え、『小説を文章だけでも楽しめる』タイプの人じゃないとキツいかも知れない。初期ドラクエの基本は、文章やシンプルなグラフィックから想像力を働かせて主人公になり切ることなので、それがそもそも好きでないのなら、このゲームは苦痛でしかないと思う(だからビジュアル重視の海外では、FFの方がウケが良い)。逆にそれが好きなら、美しい世界で壮大な大冒険を心ゆくまで楽しめる。特に未開の地やダンジョンの奥の緊張感は絶妙で、強敵に遭った時の恐怖感や緊張感はバイオやデモンズソウルのそれと良く似ていて(というか、こちらが元祖なのだけど)、なんというか格別。
【音楽】
名曲のオンパレード。SFC版のオーケストラヴァージョンもそうなのだけど、FCの音色を美しく奏でることにおいては、ドラクエはトップレベルだった。(他に音色が綺麗だったのはFFやマザー、悪魔城伝説など)曲によってはFC版の方が輝いているものすらあるのが不思議なところ。因みにトリビアになるが、『1』のフィールドに敢えて物哀しいトーンを打ち出した『荒野を行く』は、ゲーム音楽界における革命的な発想だった。ドラクエによって芽吹いた長いJRPGの歴史には数多くの悲壮的な名曲が存在するが、それを運命づけたのもすぎやまこういち先生だったのかも知れないと思うと、不思議な巡り合わせだと思う。
【戦闘のバランス】
これは初期ドラクエの隠れた長所の一つ。理不尽でもマンネリでもなく、絶妙なサジ加減の緊張感を心地よく味わえる。FC版はレベルアップに必要な経験値が多いため現代の基準で言えばツラいのだけど、それでも戦闘が純粋に面白いので投げ出さずに済んだ。
【ユーモアのセンス】
『あなたはしにました。チャラリラチャラリラリラリ〜♪』
『おお○○!しんでしまうとはなにごとだ!』
『ゆうべはおたのしみでしたね。』
『へんじがない。ただのしかばねのようだ。』
全て当時、小学生のガキどもがこぞって真似していたのが懐かしい。因みに居眠りしている友達をからかうのに良く使った。流石に『ゆうべは〜』は意味が分からず、知らずに親に聞いたら殴られたが(笑)。これも初期ドラクエの隠れた長所の一つ。仮にこのユーモアのセンスがなければあそこまでのヒットにはならなかっただろう。それだけにこのセンスを受け継ぐJRPGは(『4』以降のドラクエも含めて)中々見つからないのが、少し寂しいところ。
BAD/REQUEST
【中断セーブ】
既出だが、ご家族と楽しみたい方々には相当な問題だろう。ただ考察すると、PSPの一部のゲームアーカイブスでも同様の問題はあるので、恐らく取り除くには相当のコストと技術力が必要なのだと思う。擁護するつもりはないが昨今のエミュレータ作品において、元の作品のプログラミングに割り込んでシステムそのものまで作り替えている作品は任天堂のバーチャルコンソールを除いてほぼ存在しない(大量のバグを取り除いた『聖剣伝説2』など)。恐らくそこをイジれば『ランシールバグ』や『はかぶさの剣』、復活の呪文の法則などにも影響が出るだろうから、コスト/リスク/リターン的な意味でこの中断の仕様がギリギリだったことは何となく想像がつく(因みにバーチャルコンソールは任天堂側に相当のマージンを取られるので、戦略的にもスクエニにはキツい)。勿論、だからといって許されるというワケでもないのだけど。
【FC版の難易度】
2011年度発売のゲームとして見た場合、やはりこの難易度は鬼畜の部類に入る。FC版に関して言えば、昨今のゲームの『very hard』がデフォルトだと思ってくれればほぼ間違いない。イヤ、問題なのは厳密に言えば難易度ではなくレベル上げで、最狂として知られるFC版『2』は寧ろ慣れればとてもバランスが良い(レベルアップのパラメーター上昇が固定の上、獲得経験値やお金、アイテムの値段なども絶妙。加えて中断機能を駆使すれば『ロンダルキアの悪夢』なども軽減できる)。キツいのは寧ろ『1』と『3』で、まず『3』はレベルアップ時の上昇値がランダムなため、編成やレベルアップ管理が不遇だった場合シャンパーニの塔辺りから眼に見えてキツくなる。ヤバいのは『1』で、武器も防具も冗談みたいに高く、そのくせ装備やレベルアップ上昇値は低い。敵のラリホーは必中で、こちらの攻撃は良くミスる(快心の一撃すら外す)。ホイミは燃費が悪く、薬草は高い。そして何より中盤以降はレベルアップに必要な経験値が高すぎる。レベルアップに2000必要な時の敵の平均経験値が50だったりする。つまり40匹“タイマンで(!)”倒さなきゃいけないワケで・・・。また、触れる必要もないだろうがFC版のグラフィックやインターフェイスは、やはり“それなり”である。
COMMENT
【総括】
自分は30代前半だが、実は当時プレイしたことのあるFC版は『4』のみなので、その意味で想い出補正はない。それでもこのゲームからは黎明期の名作の威厳がハッキリと感じ取れる。例えるなら名匠の鍛えた一振りの剣のような。幸か不幸かこれ以降JRPGはドラクエも含めてストーリー主導型へと転換して行くため、自分から能動的に楽しめるRPGと言う意味で、現代でも(いや、現代だからこそ)貴重なゲームだと思う。
因みにSFC版は現代の基準で見ても全く引けを取らない丁寧なデキなので、レビューの主軸には据えなかった。純粋な意味でRPGが好きな人なら、問題なく楽しんでもらえると思う。参考までにおおよそのクリア時間は、
『1』 FC→15(!)時間/SFC版→6時間 殆ど経験値稼ぎが原因
『2』 FC版→25時間/SFC版→15時間
『3』 FC版/SFC版共に→約40時間
<原作経験 SFC版のみ有り>