ゼルダの伝説 スカイウォードソード レビュー
発売元 | 任天堂(オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2011/11/23 |
価格 | 6,800(税込) |
レーティング | A / 全年齢対象(CERO について) |
ショップ/リンク | 【 Amazonレビューも参考にどうぞ 】 |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 | アクションアドベンチャー / 1人用 |
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GOOD!
まさしく、『これぞゲーム』と言える総合的な完成度。グラフィックなどは海外のメジャー作品に劣ってしまうが、ゲームとしての完成度は決して引けを取らない。老舗でありながら新鮮で最先端の楽しさを追求し続けるその姿勢。ボリュームたっぷりな探索・戦闘・冒険を紡ぎだす創り手のエポックセンスは、まさに研ぎすまされた職人芸の結晶。既にたくさんの方が投稿されているので、自分はなるべく重複しない点を書いてみます。
【ダンジョン】
人によるが、今作のダンジョンのデキは自分には時のオカリナ以降一番良かった。序盤から複雑すぎてダルかった『トワイライトプリンセス』や『風のタクト』とは違い、贅肉をそぎ落としたスマートな造形になっている。それでいて、やり応えを損ねることがない。ただ好みは別れると思う。なんというか正統派ゼルダな造りというよりも、『マリオ+ゼルダ』な変化球タイプだと思う。人によっては物足りないかも知れない。
【斬撃アクション】
オリジナリティ5の理由その1。これはもう、男の子の心をがっちりキャッチしてしまうホレボレとするデキ。Wiiリモコンの使い方の巧さにかけては現時点で最終到達点の域だろう。上下左右+斜面の計8方向から敵の隙を自在に攻められる。女性のゼルダファンがこれを楽しめるかは疑問だが、剣士系、特に阿修羅タイプの多刀流の敵と戦う時はゾクゾクする。慣れて来ると剣豪の如き捌きが出来るし、それを巧く取り入れたボス戦も、個人的にはシリーズ最高。もしオレにそんな友達や息子がいたら、プレイ後直ぐにチャンバラごっこを強要したいほど、病み付きになる。見事だ。
【リファインされたシリーズの伝統】
オリジナリティ5の理由その2。弓矢、爆弾、スタルチュラ、ビーモス・・・。シリーズの伝統要素が、ほぼ全て丁寧に新鮮に、それでいて伝統を壊すことなくリファインされている。これまでのゼルダのデザインは、乱暴に言ってしまえば『時のオカリナ』のマイナーチェンジに留まっていたが、ここに来て生まれ変わった様に見違えた。このゲーム屋としての飽くなき向上心はハッキリ言って恐れ入った。何故って他のゲームで言えば、昇龍拳やはぐれメタルの基本仕様をすっかり変えてしまうようなものだから。歳を重ねた老舗の職人ほど、培った『常套セオリー』は手放したくないものだ。が、敢えてそれを越えるところに、真の職人魂を見た。
BAD/REQUEST
【グラフィック】
人によって評価が割れると思う。自分は未だSDブラウン管なので、あくまでSD視点から見ると、ゼルダシリーズで初めて汚いと思ってしまった。トワイライトプリンセスや風のタクトと比べるとライティングや小道具(凪の表現とか光る胞子など)の装飾が少ないので、ちょっと貧相に見える。70年代のアニメのような温もりは感じられるし、トワイライトプリンセスのように美麗すぎて手がかりを見逃すことはないが、やはり見劣りする。特にファイやゼルダの口の動きが、一部ロボットのようなお粗末すぎるシーンがあり、そこだけは残念だった。ただ終盤からエンディングにかけては、物凄く綺麗に感じた。
【一部過剰すぎる謎解き】
確かに『ゼルダと言えば謎解き』だが、今回は作り手がその枷に縛られてしまっている気はした。兎に角序盤から家を出たら謎解き、町を出たら謎解き、新しいエリアに入ったら謎解き・・・。確かに一部窮屈だと思ったのは確か。一つ一つは良く出来ているので数日に分けて少しずつプレイする分にはとても面白いのだけど、一気に速解きするタイプの人には負荷が重い。私的には、新フィールドに入ってからダンジョンに到達するまでが毎回少しキツかった。ダンジョンの中の方が解放感を感じたほど。もはや使い古されたお使いや収集作業が時折入るのも、ハッキリ言ってダルかった。
【ゼルダシリーズとしての、『コレジャナイ』感】
すぐ溜まるルピー、素直で良い人過ぎるNPC、素材を集めて武具を改造・・・。気にしなければ良いのだけど、ゼルダってそういうゲームだったか?とは思った。盾の耐久力もそうだが、悪い意味で任天堂らしくなく、汎用なゲーム会社のような威厳のない発想が時折目立つ。椅子に座って回復よりも絶対に妖精の泉の方がいいし、ベッドで寝て昼夜を操作とか、どこのギャルゲーっスか?
【とあるボスキャラ】
複数回戦うことになるあの化物だけはセンスが悪いとしか言いようがない。特にあの脚の衝撃波がウザすぎる。あんなのはイライラするだけで、なぜ一番ストレスの溜まるボスキャラと何回も戦わなくてはならないのか。敢えて言おう、ゼルダ史上最悪のカスボスであると。
【序盤のプレゼンテーション】
自分は『時のオカリナ』も『トワイライト』も『スカイウォード』も、総合的には甲乙付け難いと思っているが、確かに『時のオカリナ』は、ある一点において他を圧倒している。それは序盤、つまりゲームに慣れるまでの魅きこみ方が秀逸だったと言う点だ。
『時のオカリナ』はまず、コキリの森を抜けてデクの木様に辿り着くまで、新しいゼルダ世界の魅力を、一つ一つ丁寧に教えてくれていた。そして最初のダンジョンであるデクの木様の中のデザインも、これまた神掛かっていた。自分は初プレイ時、3Dを巧みに使った仕掛けや、視点変更を用いた探索などで、ここで一気に魅きこまれた。何が『時のオカリナ』を世界的な『ゲーム史上最高傑作』たらしめているかは様々な説があるが、自分はこの序盤のプレゼンテーションの巧さを最大の要因に挙げる。
それと比べると、『トワイライト』も『スカイウォード』も、ハッキリ言って圧倒的に下手。細かく言うのは省くが、のんびりした村でつまらないお使いをくり返すのはダルい。くり返すけどそれ以降の展開は3作とも甲乙付け難いだけに、次回作(何年後だろう?)は、ここをもう少し頑張って欲しい。
【シナリオ】
とても良いです。ただ『パンドラの塔』でも思ったが、『じっくり腰を据えて試行錯誤する』タイプのゲームに『先が気になる』タイプのシナリオは相性が悪いと思う。先が気になって仕方が無い時にホネのあるボスなどが来ると、折角のやりごたえがストレスに変換されてしまうから。
【サリアやイリアみたいな女の子がいない】
やっぱこの会社解ってねえよ。
COMMENT
序盤はシリーズの先行きが不安になるような頼りない感じはしたが、エンディングまで辿りつけば、やはりこれはゼルダ、総合的な完成度はやはり次元が違いすぎる。欠点も目立つので減点法だと75点くらいだが、加点法だと軽く150点は行く、そんなゲーム。ただ今回は手放しで誰にでもオススメ出来るものではなく、面白さを感じるには2、3,気をつけた方が良い点があるのも確か。
まず第1に、これは速解きには完全に向かない。ボリュームや謎解きの負荷が大きすぎるので、短時間で集中してクリアしようとすると確実にグロッキーになる。だから忙しくて『アンチャーテッド』のようなサクサク進む大作ゲームしか出来ない人には、絶対にオススメできない。最低でも2週間、1日に2時間程度のペースでやるのが丁度良いと思う。
第2に、今回はアクションの比重が大きく、満喫するにはそれなりにテクニカルなリモコン捌きが要求される。これは『トワイライトプリンセス』のアクションが簡単すぎた反動だと思うが、ボスなど例え倒し方が解っても、テクニックが追いつかない場合やはり倒せない。回復アイテムの使用もリアルタイムなので、個人的には『時のオカリナ』よりも難易度は高く、その意味で挫折する人も多いだろう。最初のダンジョンクリアまでで今作のシステムが肌に合わないと感じたら、残念ながらこのゲームは苦痛になってしまうと思う。
第3に、初代から追って来た身からすると、やはりシリーズとしてのアイデンティティも少しずつ変わってきている感じはする。FFやDQほど酷く劣化はしていないものの、まず『幼馴染み』なんてゼルダで見るとは思わなかったし(一応サリアとイリアもそうだが、今作と違って控えめだった)、一部『アンチャーテッド』や『ゴッドオブウォー』から影響を受けたような箇所も見られる(あちらもそうなのでお互い様なのだけど)。また造形がどこぞの拳を極めし者を彷彿とさせるようなキャラもいた。・・・ニュアンスの説明が難しいが、これまでゼルダはトランプや屋外での遊びなどと同じ次元で語れる希少なTVゲームだったのに対して、段々悪く言えばオタク臭くなっている、と言うか・・・。杞憂なら良いのだけど。
以上、極力ネタバレを回避して書いてみました。お役に立てれば幸いです。
<プレイ環境> 20インチ型SDTV